子どもが「自分で考える力」を育む質問の仕方

子どもが自分で考える力を身につけるには、大人が「教える」のではなく「考えさせる」ことが大切です。正解を押しつけるのではなく、子ども自身が答えを導き出せるような質問を投げかけることで、思考力や問題解決力を育むことができます。さらに、日常生活の中で継続的に問いかけを行うことで、子どもは自ら考えることに慣れ、応用力や発想力を高めることができます。

1. 「どう思う？」と尋ねる

子どもが何かを発言したり行動したとき、「違うよ」と否定せずに、「そう思ったんだね。どうしてそう思ったの？」と尋ねてみましょう。こうすることで、子どもは自分の考えを深め、言葉で表現する力も養われます。さらに、子どもの考えを受け止めることで、自己肯定感も高めることができます。

例:

• 「この絵、どんな気持ちで描いたの？」
• 「お友達がこう言ったとき、どう思った？」
• 「このお話の主人公はどんな気持ちだったと思う？」

2. 「もし○○だったら？」と仮説を立てさせる

現実の出来事だけでなく、仮の状況を考えさせることで、子どもの思考の幅を広げることができます。「もし○○だったらどうする？」という問いかけを通じて、柔軟な発想力や創造力を養いましょう。加えて、子どもが想像したことを具体的に話せるようにサポートすることで、論理的に考える力も伸ばすことができます。

例:

• 「もし動物と話せたら、どんなことを聞いてみたい？」
• 「もし100円しか持っていなかったら、何を買う？」
• 「もし時間を止められたら、どんなことをしたい？」

3. 「どうしたらいいと思う？」と解決策を考えさせる

困ったことや問題が起きたとき、大人がすぐに答えを出すのではなく、子ども自身に考えさせることが大切です。「どうしたら解決できると思う？」と聞くことで、問題解決能力が育ちます。また、「ほかにどんな方法がある？」と追加で聞くことで、さまざまな視点から物事を考える習慣が身につきます。

例:

• 「おもちゃを片付けたくないみたいだけど、どうしたら楽しくできるかな？」
• 「お友達とケンカしちゃったね。仲直りするにはどうすればいいと思う？」
• 「雨の日でも楽しめる遊びって何かあるかな？」

4. 「ほかに方法はある？」と選択肢を増やす

一つの考えにとらわれず、多角的に物事を見る力をつけるために、「ほかに方法はある？」と聞いてみましょう。選択肢を広げることで、より柔軟な思考ができるようになります。また、選択肢を出した後に「その中で一番いいと思うのはどれ？」と聞くことで、比較して判断する力も育ちます。

例:

• 「お菓子を分ける方法、ほかにどんなやり方がある？」
• 「明日の遠足の持ち物、他にあったら便利なものは？」
• 「早く宿題を終わらせるためにどんな工夫ができる？」

5. 「なんでそう思ったの？」と理由を聞く

考えたことを言葉にするだけでなく、その理由を説明させることで、論理的思考力を鍛えることができます。「なんでそう思ったの？」と問いかけることで、子どもは自分なりの根拠を持つ力をつけていきます。さらに、「ほかの人はどう思うかな？」と聞くことで、多様な意見があることを学ばせることもできます。

例:

• 「どうしてその本を選んだの？」
• 「なんでこの色を塗ったの？」
• 「そのキャラクターの気持ちをどうしてそう考えたの？」

6. 「どっちがいい？」と選ばせる

選択肢を与えて自分で決めさせることで、判断力や責任感を育てることができます。「どっちがいい？」と問いかけることで、子どもは自分の意志で選び、その選択について考える機会を持つことができます。また、「どうしてそれを選んだの？」と理由を聞くことで、より深い思考を促すことができます。

例:

• 「お風呂に入るのは今がいい？それとも10分後？」
• 「この2つの遊び、どっちからやる？」
• 「おやつはクッキーと果物、どっちがいい？」

7. 「◯◯ってどういうこと？」と定義を考えさせる

言葉の意味や概念を深く考えさせる質問を投げかけることで、子どもの理解力が深まります。曖昧な言葉をそのまま使うのではなく、自分なりに説明することで、表現力や語彙力も伸びます。さらに、「それを別の言葉で説明すると？」と聞くことで、より多様な表現力を身につけることができます。

例:

• 「優しさってどういうことだと思う？」
• 「楽しいってどんなときに感じる？」
• 「勇気を持つってどんなこと？」

まとめ

子どもが「自分で考える力」を育むためには、大人の関わり方が重要です。「こうしなさい」と指示するのではなく、問いかけを工夫して子ども自身が考える機会を増やしましょう。日常の会話の中で少しずつ取り入れることで、子どもの思考力が自然と鍛えられていきます。

子どもが自ら考え、試し、学ぶ過程を大切にしながら、成長をサポートしていきましょう！