いじめの認識甘くないですか?初期対応がすべての理由。
「いじめは絶対に許しません」
今回はいじめ防止対策推進法をもとにいじめの定義について書いていきます。
このブログを読み終わった頃には
- いじめとは何か明確に説明できます。
- いじめかそうでないかの判断ができるようになります。
- いじめに対しての対応方法がわかります。
一緒に、我が子はもちろん、未来ある命を守っていきましょう。知らなかった。もっと早く気づいてあげれたら。対応方法は他にもあったはず。どこに相談に行けばいいのか。学校に訴え続けていたのに動いてくれない。後悔してもやりきれない言葉を耳にします。「無知は最大の罪なり」厳しい言葉に聞こえますが、知っているからこそ、選択肢が増えます。
この記事(ブログ)が、いじめの定義の理解、いじめを積極的に認知すること、チームで取り組むいじめ対策に繋がることを願い書き綴っています。どうぞ、最後までお付き合いください。
なんくる並里(Earth Farmer)
元中学校教員時代は、部活動、生徒指導、教育相談、環境整備などを担当。児童生徒の安心安全な環境づくりのためのリーダーとして尽力。月に1回行われる学校内の自主研修会(以下、校内研修と称する)では、いじめ、不登校、教育相談の研修講師を担当する。現在、お世話になっている工務店の社内研修においては「Well Being研修〜わたしの幸せから、わたしたちの幸せへ〜」を担当する。
Contents
いじめの定義〜一定の人間関係があること〜
では、いじめとは何をもっていじめというのでしょうか?ここでは、いじめとはこれです!と明確に判断できるようになります。これを知ると初期対応はもちろん、いじめ予防にもなります。子供たちの人間関係は大人が思う以上に複雑です。スマートフォンが普及したこの時代だとなおさらです。いつでもどこでも友達とつながっているという現状は、発達が未熟な子供たちへ及ぼす影響は様々です。だからこそ、大人も子供も「知る」ことが大切なのです。いじめを解決する、いじめを予防する、我が子がいつ加害者にも被害者にも傍観者にもなりえることを前提に考え、いじめの定義について知れる、または再認識できる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
文面から読み取るには少し難しいと感じる方もいるかもしれません。隠さずに言えば、僕は初見で読み取るには時間がかかりました。何度も読み込み僕なりの答えがあります。シンプルに言えば、一定の人間関係がある間柄でいじめというものは認知されます。例えば、道端で初めてすれ違った方に因縁つけられて殴られた場合は暴力、すなわち傷害罪になります。一方で、一度でも面識をもち、関わりがあった場合に、身体的精神的財産的な被害を受けた場合(インターネット上も含む)は、いじめと認知されなければいけない、と法で定義されています。
いじめは
未然防止、早期発見、早期対応に努めましょう。
これに関しては、いじめもにならず、不登校・虐待にも言えることです。合わせて確認していただけたら幸いです。
法律上のいじめに該当します。
2019年に努めていた学校で、研修を担当したときに実際に出した例題です。みなさんはこれはいじめと認識しますか?それともいじめではないので様子をみますか?
事例研究より例題
Aさんは、同じクラスのBさんに、いきなり頭をたたかれた。Aさんは泣きながら担任のところへ駆け寄り、「Bさんにたたかれた」と訴えた。
担任は、Bさんに問いただしたところ、Aさんをたたいたことを認めたため、厳しく注意した。AさんがBさんにたたかれたのは、後にも先にもこの日だけである。
みなさんは、どう認識しますか?
これは法律上のいじめに該当する例です。同じクラスということで一定の人間関係が成立します。そして頭をたたかれたBさんは心理的にも物理的にも被害をうけています。ここで押さえておきたいことは、けっしていじめは継続的な要素だけではない、ということです。実はこの些細な一見子供のいざこざでその時だけだろうという認識が継続的ないじめにつながったりするケースがあります。Aさんもはじめは何気なくやったことも、いつかは忘れてもしかしたら違う子へターゲットを定め、今度はうまくやってやろうという気持ちで行動する可能性もあります。初期対応を迅速かつ丁寧に行うということは、「いじめは絶対に許さない」という大人の本気を見せることが大切なカギなのです。
画像
復習です。この画像にあるように、自分の持っている社会通念上のいじめと、法律上のいじめのギャップをしっかりと認識することが大切になってきます。
いじめに当たるか否か、また判断するのは誰?
ここでひとつ議論として出てくるのが、「いじめ」にあたるか否かの判断は誰なのか?ということです。結論は
いじめ対策のための「組織」を活用して行います。
いわゆる第三者委員会というものですね。重要な視点は、「いじめ」にあたるか否かの判断は(いじめられた児童生徒の立場に立つ)ということ、特定の教職員のみによることなく(いじめの対策のための「組織」)を活用して判断することです。
まとめ:いじめは積極的に発見し、報告、解決するものである
いかがでしたか?
いじめは時代の変化と合わせてより複雑化していっています。しかし、兆候は本当に些細なことなのです。その些細な時に未熟な子供たちをいじめのない世界へと導けるのは私たち大人です。いじめはあるものだと認識を持ち、「絶対に許さない」という毅然たる態度で対応することです。まとめると、
- いじめの疑いがあれば、ただちに調査を依頼
- 初期対応の肝「いじめが疑われた時点で証拠をおさえる」
- 一定の人間関係があり、身体的精神的財産的な被害を受けた場合(インターネット上も含む)は、いじめと認知
- いじめの対応解決はチーム(組織)で行うこと
です。
いじめをなくし、誰もが安心安全で学べる環境、居場所づくりを目指しましょう。
SOSの場所
SOSの場所をわかりやすく紹介してるポストをリポストしました。
子どものケアーで悩んでいる方必見
大変参考になりました。
選択肢をたくさん持っていたほうが有効です。
知って選ぶ、と知らずにここしかなかった、では全く違う結果になることが大きと感じていました。
選択肢をここから知れます! https://t.co/rcQ5XQcSwP— なんくる並里@元教員でシングルファザーの薪割り職人 (@nankuru358) April 10, 2024
初期対応の具体的な流れ〜認知→報告→共有〜
ここでは、子供を受け入れている学校側の視点からの初期対応の具体的な流れ、言い換えればいじめのガイドラインの基本的な考えをお伝えします。知っていれば、学校側の対応が迅速かつ丁寧か、それともモンペ扱いされる雑な対応かの判断に値する情報になることを期待します。いかに学校側に早く丁寧に対応してもらえるかが重要なので、お伝えします。
いじめの疑いがあれば、ただちに調査を依頼
いじめの重大事態という言葉はご存知ですか?知らなかった、聞いたことはあるけど説明はできない、という方は、ぜひともこの機会に認識していただくことをお勧めします。
いじめの重大事態の定義は、「いじめにより当該学校に在籍する児童等の 生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」(法第 28条第1項第1号。事象の大小は全く関係ありません。無意識だろうがなかろうが、幼かろうが無かろうが、悪気がなかったとしても、
大人は、
いじめと感じた被害者(未熟な子ども)を、加害者(未熟な子供)、取り巻き(未熟な子ども)、傍観者(未熟な子ども)たちから守らなくてはいけません。
これは決して感情的な者でもなく、思想・哲学的でもないです。きちんと法律に基づいたものです。私たち大人は、いじめから子供たちを守らないければいけないのです。法治国家の日本では法が全てです。いじめの疑いや保身による隠蔽は、決して許されない法律違反になります。断言します。刑罰があるかは別の話です。例えば、「人を殺してはいけない」という法律は実はないのです。人を殺すと罰則があるというのが正式な捉え方です。いじめも似たようなことがいえます。いじめは起こり得ます。問題なのは、いじめと知っていながら対応しない、対応できない、対応が遅い、認めない、すり替える、誤魔化す、隠蔽(いんぺい)する、ことです。
いじめの初期対応その壱(いち)
我が子がいじめを訴えた、または疑われた時点で、学校側に調査を強く依頼する
ここで大切なのは、「相談」ではなく「依頼」することです。相談ですと、学校側は動きません。また動こうとしない場合もあります。「様子を見ます」と言われ、いつまでも据え置きの状態といっても過言では無い状況が続き、大切なお子様の心は日に日に衰退していく可能性が高くなります。
保護者の皆様に告ぐ
学校に期待しないことです。
いじめを保護者が認知した場合や疑いがある場合、「相談」という形で学校側に解決策を期待するような話も持っていき方は、正直、時間だけが過ぎていくだけです。いじめは時間が経てば経つほど複雑になります。ですから、「依頼」という形でいじめの調査を請願することです。それを受ければ、学校側はいじめ防止対策推進法という法に則り、対応しなければいけないことになっていますので、動かなかったり、調査が不十分だった場合、学校側の過失になります。初期対応の遅れのほとんどが学校側の認識が甘く、丁寧に対応しなかったことにより、重大事態に発展する事例があることは事実です。断っておきますが、学校を敵対視するという意味ではありませんので、誤解のないようによろしくお願いします。いじめの兆候は様々。疑わしきは罰せよ、芽は小さいうちに摘め、ここではとにかく初期対応をどれだけ迅速にそして組織として動いてもらうための保護者の初速が本当に重要なので、言葉きつく伝えている、というのが本心です。大人が躊躇(ちゅうちょ)して初期対応が遅れることで困るのは子供たちだからです。改めて
子供に関わる大人に告ぐ
いじめを疑ったら事実確認を慎重に丁寧にそして迅速に行動に移してください。
重大事態が起こった学校の対応は、連絡・説明・報告をやらなければいけない
重大事態が起こったら、とありますが、その判断を待っている間にもいじめは深刻化していきます。疑いがあった時点で保護者の方は調査を依頼してください。同時に、学校だけではなく、教育委員会、民生委員、こども課など関係機関にも依頼または情報を流してください。
ここでは、重大事件が起こった場合の学校側が行わなければいけない対応をお伝えします。
質問形式で流れを説明します。
重大事態が起こった場合はどうしますか?
↓
(学校の設置者へ)連絡→学校の設置者とは公立学校で言えば、市町村の教育委員会のこと
↓
(学校の設置者)が重大事態の調査の主体を判断
調査の主体が学校になりました。どのように調査しますか?
↓
(事実関係)を明確に
調査が終わったらどうしますか?
↓
いじめを受けた児童生徒やその保護者に適切に説明する。
↓
地方公共団体の長に報告する。
という流れになっています。調査の結果に納得しない、または不十分だと認められた場合、調査の結果について再調査の仕組みもあります。再調査は議会へ報告する流れになっています。以上のような流れになっています。そのことから、よくニュースで見かける教育委員会が報告を受けていなかった、校長がわからなかった、ということは本来はあってはならないことであり、そんなはずはないのです。しかし、なぜ知らなかったのか?これは僕個人的な見解ですが、現場でのいじめにたいする認識に法律上のいじめと大きなギャップがあったのでないか、と推察しております。
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元中学校教師でシングルファザーのなんくる並里のいじめについてのお話でした。
ではでは