【元中学校教師が語る】「黄金の3日間」のリアル

~安心と信頼、そして覚悟でつくる学級の土台~

こんにちは。
元公立中学校の英語教師、なんくるです。

学級担任として5年、
生徒指導主任4年、教育相談主任3年。
これまで約2,000組の親子と向き合ってきました。

新年度の始まり、つまり学級開きの最初の3日間を、教育現場では**「黄金の3日間」**と呼びます。

この3日間、実は…ただの“初日”ではありません。
「この1年、どんなクラスになるのか」がほぼ決まってしまう、極めて大切な3日間なのです。

■ 黄金の3日間に絶対やりきると決めていたこと

1. 「ここは安心できる場所だ」と感じさせる

子どもたちは、大人の“空気”を敏感に察知します。
教室に入った瞬間の「おはよう」で勝負は始まっています。

表情、声のトーン、目線、立ち姿…。
「先生は味方だ」と思ってもらうには、細部まで気を配る必要があります。


2. 誰ひとり取り残さない

最初の3日間で、全員と関わると決めていました。
必ず名前を呼び、目を合わせ、リアクションを返す。

子どもは「自分を見てくれている」と感じたとき、初めて心を開きます。


3. 「いじめは絶対に許さない」という覚悟を伝える

ここはとても重要なポイントです。
優しいだけではダメ。毅然とした姿勢が、子どもを守ります。

「誰かを傷つける言動は許しません」
「見て見ぬふりは、しない」

そう明言することが、子どもたちの安全と信頼を守る第一歩になります。


4. ルールも文化も、全部この3日でつくる

話すときの姿勢、ノートの取り方、あいさつの仕方。
一つひとつを“曖昧にせず”共有します。

でも押し付けじゃない。
「なぜそうするのか」まで説明することで、子どもたちの納得感と自律性が育っていくのです。


■ 保護者の皆さんへ:子育ても“学び”の時代に

学校に任せきり。先生に全部お願い。
そんな時代は、もう終わりです。

今の子どもたちは、情報過多・複雑化社会を生きています。
だからこそ、「家庭」と「学校」が二人三脚で支えることが求められているのです。

親も学び、問い直し、子どもと一緒に育つ。
それが、これからの“子育て”です。



■ そして、子どもたちへ届けたい言葉

あなたは、あなたのままで、大切な存在。
でも、他の人も同じくらい大切。

誰かを尊重する教室は、自分にとっても居心地の良い場所になります。

自分の言葉や行動が、誰かの心を動かすこともある。
それを忘れずにいてください。

そして最後に――

「変わる」「やり直す」「進む」は、いつだって自分で決めていい。
あなたは、ちゃんとできる。大丈夫。


おわりに:学び続ける先生、そして親でありたい

教育に関わるすべての人へ。
私たち大人が学び、問い直し続ける姿こそが、
子どもたちへの最大のメッセージになると信じています。

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